オフィスの会話を隣室に聞き取られにくくするアプリ「Hisohiso」を OSS として公開しました
会議室での会話を、隣の部屋や通路から聞き取られにくくするアプリ Hisohiso(ひそひそ) を、MIT ライセンスのオープンソースとして公開しました。周りに適度な音を流して、漏れた会話を言葉として聞き取れなくする「サウンドマスキング」を、スマートフォンのブラウザだけで手軽に試せます。
- アプリ: https://lifegence.github.io/hisohiso/
- リポジトリ: https://github.com/lifegence/hisohiso
- 動作環境: スマートフォン・PC のブラウザ(インストール不要)
- ライセンス: MIT
2026 年 10 月 15 日追記:iPhone・iPad をお使いの方へ
公開当初は、消音スイッチ(マナーモード)がオンだと音が出ませんでした。アプリを更新し、スイッチがオンのままでも音が出るようにしました。古い iOS などで音が出ない場合は、スイッチをオフにしてお使いください。
要旨
- 会話を聞き取りにくくする音を、スマートフォンで鳴らせます。 会話と同じ高さのノイズ、意味のない合成音声、せせらぎなどの環境音を組み合わせて鳴らします。
- 会話がどれだけ漏れているかを測れます。 スマートフォン 2 台で会議室から隣室への音の漏れを測り、聞き取られやすさを 0〜100 の数値で示します。
- ブラウザで開くだけで使えます。 インストールもサーバーも不要です。設定や測定結果が端末の外に送られることはありません。
- MIT ライセンスで、自由に使い、改変できます。
1. 背景
会議室や面談室では、人事や顧客の情報など、外に聞かれたくない話をすることが少なくありません。ところが、オフィスの壁やドアは思った以上に声を通します。遮音を高めるには工事が必要で、賃貸のオフィスでは簡単ではありません。
そこで着目したのが「サウンドマスキング」です。周りに適度な音があると、漏れてきた会話は言葉として聞き取れなくなります。病院の受付や薬局などではすでに専用の機器が使われていますが、導入には機器の購入と設置が必要です。手元のスマートフォンで同じ考え方を手軽に試せるようにしたのが Hisohiso です。
2. マスキング音の生成
次の 3 種類の音を組み合わせて鳴らします。音量はそれぞれ調整できます。
| 音 | 役割 |
|---|---|
| 音声帯域ノイズ | 会話と同じ周波数帯を覆う「サー」という音。壁越しに漏れる声に効きます |
| 擬似会話 | 日本語の母音をもとに合成した、意味のない声。脳が言葉を聞き取るのを邪魔します |
| 環境音 | せせらぎや空調の音。マスキング音の耳障りさを和らげます |
ただのノイズは、大きな音量にしないと会話を隠しきれません。擬似会話は、漏れてきた声と混ざって言葉の区切りをわかりにくくするため、より小さい音量で効果があります(情報マスキング)。会議の長さに合わせて自動で止めるタイマーも備えています。
3. 会話の漏れを測る
スマートフォンを 2 台使い、1 台で試験音を鳴らし、もう 1 台のマイクで測ります。画面の手順に沿って、次の順に進めます。
| 手順 | 場所 | 内容 |
|---|---|---|
| 1 | 会議室 | 普段の声で話し、その大きさを測る |
| 2 | 会議室 | 試験音を鳴らして測る |
| 3 | 隣室 | 漏れてきた試験音を測る |
| 4 | 隣室 | 何も鳴らさずに、普段の静けさを測る |
| 5 | 隣室 | マスキングを鳴らして測る(任意) |
測り終えると、次のことがわかります。
- 音の高さごとに、壁やドアでどれだけ音が減っているか
- 会話の聞き取られやすさを 0〜100 で表した「プライバシー指数」。マスキングを鳴らした場合と鳴らさない場合を比べられます
- 機密の話をしても聞き取られないレベルにするには、マスキングの音量をあと何 dB 上げればよいか
スマートフォンのマイクは校正されていないため、結果は目安です。最終的には、隣室で実際に聞き取れるかを人の耳で確かめることをおすすめします。
4. 使い方と効果を高めるコツ
スマートフォンで https://lifegence.github.io/hisohiso/ を開くだけで使えます。ホーム画面に追加すると、アプリのように起動できます。
- 聞かれたくない側で鳴らします。 ドアの外、通路、隣室との壁ぎわに置きます。会議室の中で大きな音を鳴らすと、話す人が声を張ってしまい逆効果です。
- 外部スピーカーにつなぎます。 壁を通った声は低い音が中心ですが、スマートフォン本体のスピーカーは低い音が苦手です。Bluetooth スピーカーなどを使うと効果が大きくなります。
- 隙間を先にふさぎます。 ドアの下の隙間などから音が漏れている場合は、そこをふさぐのが先です。マスキングは遮音を補うもので、代わりになるものではありません。
- iPhone では画面をつけたままにします。 画面をロックすると音が止まることがあります。音が出ないときは、消音スイッチ(マナーモード)をオフにしてください。
今後
- 周りの騒がしさに合わせて、音量を自動で調整する機能を検討します
- 複数の端末で同時に鳴らす機能や、予定表と連動して会議中だけ鳴らす機能を検討します
当社はこのほかにも、セミナーと社内ミーティングの管理アプリ EventMeet、Frappe / ERPNext の日本語訳 frappe_japanese_translations、多言語管理アプリ I18n Manager、チャットを参加者それぞれの言語で読める Frappe Chat Translate などを公開しています。
オフィスの情報管理を見直したい方へ。 会議室の会話の漏れ対策や、社内業務のデジタル化についてのご相談を承っています。お気軽にお問い合わせください。
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