久しぶりにブログのエントリー。
Amazonで素晴らしい商品が出たと、うかつにも飛びついてしまい、あろうことか2つ目までも注文してしまった。Facebookで友人から詐欺商品ではないかとの指摘をもらったことを期に正式に検証を行い(ChatGPTに評価させた)、やはり詐欺商品であったというのが結論であり、早々にAmazonに返品して削除対応を依頼しようと思います。
ここに顛末を共有することで、同様な被害にあう人が少しでも減るよう祈念しております。
新品状態での製品評価
1. ディスクの認識と基本情報の確認
まず、ディスクがシステムに正しく認識されているかを確認し、基本情報を取得します。
$ sudo fdisk -l
〜中略〜
Disk /dev/sda: 28.61 TiB, 31457280000000 bytes, 7680000000 sectors
Disk model: SSD
Units: sectors of 1 * 4096 = 4096 bytes
Sector size (logical/physical): 4096 bytes / 4096 bytes
I/O size (minimum/optimal): 4096 bytes / 4096 bytes
Disklabel type: gpt
Disk identifier: 30E7F994-B6D1-47EF-82BB-37A388A88541
Device Start End Sectors Size Type
/dev/sda1 6 4095 4090 16M Microsoft reserved
/dev/sda2 4096 7679999993 7679995898 28.6T Microsoft basic data
$ lsblk
NAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINTS
loop0 7:0 0 74.3M 1 loop /snap/core22/1564
loop1 7:1 0 4K 1 loop /snap/bare/5
loop2 7:2 0 74.3M 1 loop /snap/core22/1612
loop3 7:3 0 269.8M 1 loop /snap/firefox/4793
loop4 7:4 0 271.4M 1 loop /snap/firefox/4955
loop5 7:5 0 505.1M 1 loop /snap/gnome-42-2204/176
loop6 7:6 0 10.7M 1 loop /snap/firmware-updater/127
loop7 7:7 0 91.7M 1 loop /snap/gtk-common-themes/1535
loop8 7:8 0 10.5M 1 loop /snap/snap-store/1173
loop9 7:9 0 38.8M 1 loop /snap/snapd/21759
loop10 7:10 0 500K 1 loop /snap/snapd-desktop-integration/178
sda 8:0 0 28.6T 0 disk
├─sda1 8:1 0 16M 0 part
└─sda2 8:2 0 28.6T 0 part /media/masakazu-nomura/SSD
nvme0n1 259:0 0 953.9G 0 disk
├─nvme0n1p1 259:1 0 1G 0 part /boot/efi
└─nvme0n1p2 259:2 0 952.8G 0 part /
2. ディスクの健康状態を確認
1. smartctlの利用
ディスクの健康状態(SMART情報)を確認するためにsmartctl
コマンドを使用。
$ sudo smartctl -a -T permissive /dev/sda2
smartctl 7.4 2023-08-01 r5530 [x86_64-linux-6.8.0-45-generic] (local build)
Copyright (C) 2002-23, Bruce Allen, Christian Franke, www.smartmontools.org
=== START OF INFORMATION SECTION ===
Vendor: AL
Product: SSD
Revision: 5.00
User Capacity: 31,457,280,000,000 bytes [31.4 TB]
Logical block size: 4096 bytes
scsiModePageOffset: response length too short, resp_len=12 offset=12 bd_len=8
scsiModePageOffset: response length too short, resp_len=12 offset=12 bd_len=8
>> Terminate command early due to bad response to IEC mode page
=== START OF READ SMART DATA SECTION ===
Current Drive Temperature: 0 C
Drive Trip Temperature: 0 C
Read defect list: asked for grown list but didn't get it
Error Counter logging not supported
scsiModePageOffset: response length too short, resp_len=12 offset=12 bd_len=8
Device does not support Self Test logging
このsmartctl
コマンドの出力は、ディスクの健康状態を確認しようとした際に表示された情報ですが、いくつかの問題点が示されています。以下に詳細を解説します。
1. 基本情報の確認
- Vendor:
AL
- Product:
SSD
- Revision:
5.00
- User Capacity:
31.4 TB
- Logical block size:
4096 bytes
この部分では、ディスクのベンダー、製品名、リビジョン、容量、ブロックサイズといった基本情報が表示されています。
2. エラーメッセージ
- scsiModePageOffset: response length too short, resp_len=12 offset=12 bd_len=8
- これは、SCSIコマンドのレスポンスが期待された長さに達していないことを示すエラーです。ディスクが正常に応答しないことから、ディスクのファームウェアやドライバに問題がある可能性があります。
- Terminate command early due to bad response to IEC mode page
- IEC(Informational Exceptions Control)モードページのコマンドに対する不正なレスポンスが原因で、SMARTコマンドが正常に終了せず、早期に終了したことを示しています。
3. SMARTデータの読み取りに関する問題
- Current Drive Temperature:
0°C
- Drive Trip Temperature:
0°C
これらの温度が0°Cと表示されているのは異常であり、ディスクが正確な温度データを返していないことを示しています。 - Read defect list: asked for grown list but didn't get it
- Grown defect list(使用中に発生した不良セクタのリスト)の読み取りが要求されましたが、取得できませんでした。これは、ディスクが不良セクタ情報を保持していない、または情報を返せないことを示しています。
- Error Counter logging not supported
- エラーカウンターロギングがサポートされていないため、ディスクのエラーログを取得できません。
- Device does not support Self Test logging
- デバイスがセルフテストのログ記録をサポートしていないことを示しています。これは、ディスクがセルフテストを行っても、その結果を記録できないことを意味します。
4. 全体的な考察
- SMART機能の不完全なサポート: このSSDは、SMART(Self-Monitoring, Analysis, and Reporting Technology)機能のいくつかを適切にサポートしていないか、あるいはファームウェアに問題があるために正確なデータを返せていない可能性があります。
- ファームウェアまたはドライバの問題: 複数のエラーメッセージから、ディスクのファームウェアが最新ではない、または適切に動作していないことが考えられます。これにより、ディスクが正確な健康情報を返せていない可能性があります。
この結果は、ディスクに何らかの重大な問題が存在する可能性を示しているため、慎重に対応する必要があります。
3. ディスクのセルフテスト
$ sudo smartctl -t short /dev/sda2
smartctl 7.4 2023-08-01 r5530 [x86_64-linux-6.8.0-45-generic] (local build)
Copyright (C) 2002-23, Bruce Allen, Christian Franke, www.smartmontools.org
Short offline self test failed [unsupported field in scsi command]
$ sudo smartctl -l selftest /dev/sda2
smartctl 7.4 2023-08-01 r5530 [x86_64-linux-6.8.0-45-generic] (local build)
Copyright (C) 2002-23, Bruce Allen, Christian Franke, www.smartmontools.org
=== START OF READ SMART DATA SECTION ===
Device does not support Self Test logging
このsmartctl
コマンドの出力から、以下のことがわかります。
1. コマンドの目的
- コマンド:
sudo smartctl -t short /dev/sda2
- このコマンドは、
/dev/sda2
に対して短時間のオフライン自己診断テスト(Short Self-Test)を実行しようとしています。これは、ディスクの健康状態をチェックするための簡易的なテストで、通常は数分以内に完了します。
2. エラーメッセージ
Short offline self test failed [unsupported field in scsi command]
:- このメッセージは、自己診断テストの実行が失敗したことを示しています。具体的には、SCSIコマンドに含まれているフィールドがサポートされていないことが原因です。これは、ディスクまたはそのコントローラが、要求されたSMART自己診断テストに対応していないことを示しています。
このエラーは、ディスクが要求されたSMART自己診断テストをサポートしていない、または正しく実行できないことを示しています。別のSMARTテストを試みるか、ディスクの詳細情報を確認して健康状態を評価することをお勧めします。ディスクに問題がある場合、早めにバックアップを取得しておくことも重要です。
4. ファイルシステムのベンチマークテスト
1. hdparm
を使った読み取り速度のテスト
$ sudo hdparm -Tt /dev/sda2
/dev/sda2:
Timing cached reads: 28270 MB in 2.00 seconds = 14156.28 MB/sec
Timing buffered disk reads: 44 MB in 3.08 seconds = 14.30 MB/sec
2. dd
を使った書き込み速度のテスト
$ sudo dd if=/dev/zero of=/dev/sda2 bs=1G count=1 oflag=direct
1+0 records in
1+0 records out
1073741824 bytes (1.1 GB, 1.0 GiB) copied, 80.146 s, 13.4 MB/s
このコマンドの結果からわかることについて解説します。
1. hdparm -Tt /dev/sda2
の結果
Timing cached reads
: これはキャッシュに保存されたデータを読み取る速度を示しています。今回の結果では、約14156.28 MB/secという非常に高速な値が得られています。これはキャッシュ(RAM)内のデータ読み取り速度なので、通常非常に高速です。Timing buffered disk reads
: これは実際のディスクからのデータ読み取り速度を示しています。今回の結果では、44 MBのデータを3.08秒で読み取っており、速度は約14.30 MB/secです。これはディスク自体の性能を反映しており、比較的低速です。
2. dd
コマンドの結果
このコマンドは、/dev/zero
(ゼロバイトのデータ)から/dev/sda2
に1 GBのデータを書き込む処理を行っています。結果として、約13.4 MB/secの速度でデータが書き込まれています。この書き込み速度は、ディスクの性能を反映しており、特に古いディスクやフラグメント化が進んでいる場合、これくらいの速度になることがあります。
総じて言えば、このディスク(/dev/sda2
)の読み書き速度は比較的低速であることがわかります。この速度が実際の用途に対して問題となる場合は、ディスクのアップグレードやフラグメンテーションの改善を検討する必要があるかもしれません。
5. fsck
コマンドによるファイルシステムチェック
$ sudo fsck /dev/sda2
fsck from util-linux 2.39.3
e2fsck 1.47.0 (5-Feb-2023)
ext2fs_open2: Bad magic number in super-block
fsck.ext2: Superblock invalid, trying backup blocks...
fsck.ext2: Bad magic number in super-block while trying to open /dev/sda2
The superblock could not be read or does not describe a valid ext2/ext3/ext4
filesystem. If the device is valid and it really contains an ext2/ext3/ext4
filesystem (and not swap or ufs or something else), then the superblock
is corrupt, and you might try running e2fsck with an alternate superblock:
e2fsck -b 8193 <device>
or
e2fsck -b 32768 <device>
$ sudo e2fsck -b 8193 /dev/sda2
e2fsck 1.47.0 (5-Feb-2023)
e2fsck: Bad magic number in super-block while trying to open /dev/sda2
The superblock could not be read or does not describe a valid ext2/ext3/ext4
filesystem. If the device is valid and it really contains an ext2/ext3/ext4
filesystem (and not swap or ufs or something else), then the superblock
is corrupt, and you might try running e2fsck with an alternate superblock:
e2fsck -b 8193 <device>
or
e2fsck -b 32768 <device>
$ sudo mke2fs -n /dev/sda2
mke2fs 1.47.0 (5-Feb-2023)
mke2fs: Size of device (0x1c9c36ffa blocks) /dev/sda2 too big to be expressed
in 32 bits using a blocksize of 4096.
出力結果から次のことがわかります:
- 最初の
fsck
コマンド (sudo fsck /dev/sda2
):
- エラーメッセージ: "Bad magic number in super-block".
- 説明: スーパーブロックは、ファイルシステムのサイズや形状、状態などの情報を含む重要な部分です。「Bad magic number」というエラーは、ファイルシステムのメタデータが壊れているか、ext2/ext3/ext4ファイルシステムとして認識されないことを示しています。この問題は、パーティションが実際にはサポートされているファイルシステムでフォーマットされていない場合や、スーパーブロック自体が破損している場合に発生します。
- 対策: システムは、別のスーパーブロックを使ってファイルシステムを修復することを提案しています。具体的には、
e2fsck -b <スーパーブロック番号> /dev/sda2
のコマンドを実行するように指示しています。
- 別のスーパーブロックを使用した修復の試み (
sudo e2fsck -b 8193 /dev/sda2
):
- エラーメッセージ: "Bad magic number in super-block while trying to open /dev/sda2".
- 説明: 別のスーパーブロック(8193番)を使ってファイルシステムにアクセスしようとしましたが、それでも有効なスーパーブロックが読み取れません。このことは、スーパーブロックが広範囲にわたって壊れているか、ファイルシステムの種類が予想と異なる可能性があることを示唆しています。
-n
オプションを使用したファイルシステムの作成シミュレーション (sudo mke2fs -n /dev/sda2
):
- エラーメッセージ: "Size of device … too big to be expressed in 32 bits using a blocksize of 4096".
- 説明:
mke2fs -n
コマンドは、ファイルシステムを作成した場合にスーパーブロックがどこに配置されるかをシミュレーションするコマンドです。このエラーメッセージは、パーティション/dev/sda2
のサイズが非常に大きく、デフォルトの設定(ブロックサイズ4096バイト)では32ビットの環境で扱いきれないことを示しています。 - 意味: これは、このパーティションが非常に大きく、フォーマットや診断時に特別な注意が必要であることを示しています。ツールが適していないか、パーティションが64ビットのファイルシステムを必要としている可能性があります。
まとめ
/dev/sda2
のファイルシステムが正しく認識されておらず、破損または設定ミスの可能性があります。- 別のスーパーブロックを使用して修復しようとしましたが、失敗しており、重大な破損があるか、想定外のファイルシステムタイプが使用されている可能性があります。
- パーティションのサイズに制約があり、診断や再作成を試みた際に問題が発生しています。